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りんごの木
ある日、長野の母から連絡がありました。
蓼科ハーバルノート・シンプルズのオーナーである萩尾エリ子さんから、絵のクリーニングの相談でした。
その絵には、大きなりんごの木が一本描かれていました。
この『りんごの木』の絵には、物語がありました。
エリ子さんが蓼科でハーバルノートを始めるずっと前のことです。
東京の青山でエリ子さん達がはじめたバーは、レコードやシャンソンの弾き語り、
時にはバーの両隣が映像プロダクションだったことから
16mmの映写機で海外のコマーシャルフィルムを映し出すお店だったそうです。
当時、バーテンダーだったエリ子さんが画家の落田謙一さんにお願いして描いてもらい、
バックバーに飾っていたのが『りんごの木』の絵でした。
たくさんの人の出会いと思い出が、絵を覆っているタバコのヤニに染み込んでいるような気がしました。
ハーバルノートは、私が幼少期を過ごした牧場から歩いてすぐの所にあったので
よく遊びにいっては、エリ子さんや働いているお姉さん達に可愛がってもらいました。
東京でハーバルノートのハーブティーを飲むと、
あの自然の匂いとお店のハーブの香りを思い出します。
『りんごの木』の絵は長らく仕舞われていたそうですが、クリーニングで目立つ汚れも除去することができました。現在は店内でご覧いただけます。
みなさんも蓼科に行くことがありましたら、ぜひ立ち寄ってみてください。
りんごの木の物語についても書かれています。
りんごの木: テキスト
りんごの木: 作品一覧
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